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さまざまな業界で RPA ツールの採用が増えている理由

世界中の企業がデジタル トランスフォーメーションに投資する中、その多くは、効率を再考し、社員が単調な管理責任を負うのではなく、付加価値の高い作業に焦点を当てるのを支援する新たなテクノロジを活用しています。ロボティック プロセス オートメーション (RPA) と呼ばれるこのアプローチでは、ソフトウェア ボットを用いて、グラフィカル ユーザー インターフェイス (GUI) 内で人間のコミュニケーションを模倣し、手作業による繰り返しのタスクを自動化して業務の時間を節約します。また手間を省いて、業務に伴うさまざまな悩みを解消します。

RPA ツールとは

RPA ツールとは、ワークフローを定義したり、指定されたタスクを論理的順序で実行するようボットを構成したりするためのソフトウェアのことです。ロボットは、GUI 上で発生する、複数のステップからなるあらゆるプロセスを、迅速かつエラーなく実行できます。そのため、ロボティック プロセス オートメーション ツールは、社員が価値の高いタスクに取り組めるように、間違えが起こりがちな手作業のワークフローの迅速化を支援します。

たとえば、人事部門で RPA ツールを展開して、休暇申請の処理過程を自動化できます。社員が申請ごとに 5 分の処理時間を費やす代わりに、RPA ボットが企業のエンタープライズ リソース プランニング システムからデータを抽出し、申請をより迅速に他のシステムへと (たとえ API がない場合でも) 誤りなく処理することができます。

ロボティック プロセス オートメーション ツールによって作成されるボットは、割り当てられたアクションを実行したり、デジタル ディスプレイ (画面スクレイピング) からの情報のコピーを通じてか、または API の使用によって、他のシステムとやり取りしたりすることができます。たとえば、貴社で RPA ツールを使用して、アプリケーションへのログイン、ファイルやフォルダの操作、コンテンツのコピーとペースト、フォームへの必要情報の入力、構造化されたデータの操作、そして他のアプリケーションとの対話ができるボットを作成できます。

RPA ツールを導入するメリット

RPA ツールを展開するあらゆる組織は、次のような利点の一部またはすべてを享受することが期待できます。

  • より有効な人材活用。 RPA を使用すると、社員はデータ入力など、価値の低い繰り返しのタスクから解放されるため、企業に大きな価値をもたらす作業に重点的に取り組めるようになります。

  • 改善された顧客タッチ ポイント。 RPA を使用して顧客対応プロセスを効率化すると、効率性がさらに向上することで顧客エクスペリエンスが改善し、ロイヤルティを向上させることができます。

  • コストの削減。 RPA ボットは人間の作業をわずかなコストでこなします。

  • ワークフロー管理を把握するための強化された分析機能。 各ボットが活動のログ ファイルを生成するため、機能のパフォーマンス効率をモニタリングできます。

  • スケーラビリティの向上。 自動化されたボット グループの範囲やリーチのようなスケーリングを、社員のチームで行うことは絶対に不可能です。RPA ソフトウェアを使用すると、ボットの複製とプログラミングを容易に行い、類似しているものの若干異なる一連の手順を実現できます。

  • セキュリティの向上。 RPA ボットは、サインアウトを忘れることは決してありません。また、RPA ボットにタイムアウトを設定して、システムにアクセスできる状況でもアクセスできないようにし、悪意のあるハッカーに対する脆弱性を低減します。

RPA ツールと他のプロセス オートメーション ソリューションの違い

オートメーションと RPA の違いを理解することは、他のワークフロー オートメーション ソリューションと比較した RPA ツールの利点を理解するのに役立ちます。ワークフローの自動化 では、テクノロジを使用して、業務プロセスの手作業の手順を削減しますが、それでも人間がプロセスを完了する必要があります。RPA ツールでは、人間の介入が不要になるよう、ロボットを作成し、GUI を通じて作業します。対象は人間が始動させなくてはならない人間参加型プロセスの場合もあれば、完全に自動化された無人のプロセスの場合もあります。

RPA ツールでは、コーディングの必要性がわずかか皆無であり、ボットは社員が使用するのと同じインフラやソリューションを使用するため、基礎となるアーキテクチャを改変する必要がありません。ビジネス ユーザーは RPA ソリューションを推進しています。事実、一部の RPA ソリューションは、技術的なバックグラウンドを持たない市民開発者向けに設計されており、そうしたユーザーが日常的に携わる手作業のプロセスを自動化できます。IT は最低限関与するだけか、またはまったく関与せずに、従来の開発コストを費やすことなくオペレーションを最適化し、社員の満足度を改善することができます。

RPA は、以下の点でも従来のプロセス オートメーション ツールとは異なります。

  • 従来のオートメーション プロセスでは、テクノロジ インフラの一部またはすべてに変更を加える必要がありますが、GUI 内の RPA ボットは人間と同じ方法で他のシステムとやり取りを行います。

  • RPA ボットは、複数のアプリケーションのプロセスを自動化するのに十分な柔軟性を備えています。

  • RPA ボットはデータ入力など、反復を伴う一般的なプロセスを対象としているため、1 つのプロセスのために設計されたワークフロー ソリューションよりもスケーラブルであり、アップグレードが容易です。

RPA ソフトウェアは繰り返しを伴うルール ベースのワークフローの効率性を改善することで価値を生み出しますが、一部のプロセスは社員にそのまま残しておくのがよいでしょう。一般に、多くの未構造化データやグラフィック情報が使用されていて、目まぐるしく変化するパラメーターに左右されるプロセスはそのまま残し、創造力ある社員に管理してもらうことが最も理想的です。

RPA の現在と将来の役割

現在、企業が RPA ソフトウェアの使い方を学び、時間とコストの削減など、その利点を直接目の当たりにするようになったため、RPA ソフトウェアはより多くの注目を集めるようになりました。しかし、すべてのテクノロジと同様に、RPA は業務上のニーズの変化に応じてより洗練され、また変化しています。RPA ツールが今後どのように展開するか、そのいくつかの予測を以下に紹介します。

  • AI との緊密な統合。 RPA が進歩するほど、AI や機械学習、さらにモノのインターネット (IoT) といった次世代のテクノロジを RPA と統合する新たな方法が企業によって見出される可能性は高まるでしょう。そして一部の企業では、既にそうした試みを実現しています。高度なオートメーション、つまりインテリジェントなオートメーションが、RPA ツールが対応できるタスクの種類をさらに多様化させ、多岐にわたる複雑な業務を自動化する機能をもたらしています。

  • より複雑なオートメーション。 企業では、RPA を使用して、日常的なあらゆる種類のタスクを自動化していますが、RPA を AI や機械学習と組み合わせると、合理化が可能なタスクの範囲がさらに拡大します。たとえば、現在 RPA ツールを使用してドキュメントをデジタル化することができますが、AI を搭載した RPA ツールでドキュメントの内容を理解し、エラーを発生させることなく効率的にドキュメントを分類できる可能性があります。

  • より安価でより使いやすい。市場に初めて登場した RPA ツールは扱いにくく、また高額な費用がかかる場合がありましたが、RPA ツールへの需要が高まったことにより、現在ではより多くの企業が RPA ツールを提供するようになりました。利用できるオプションがさらに増えることで、価格は下落する可能性が高く、機能はより競争力の高いものになるでしょう。

RPA ソフトウェアの主な機能

現在、さまざまな機能を備えた RPA ツールが市場に出回るようになりましたが、優れた RPA ソフトウェアであれば必ず提供している最低限のコア機能は以下のとおりです。

  • 相互運用性。 RPA ソフトウェアは、既存のデスクトップ アプリケーション、Web アプリケーション、その他の主要なソフトウェア アプリケーションと連携させる必要があります。また、システム API に接続したり、データベースに対する読み取り/書き込みが実行できたりする必要もあります。

  • データの拡張。 ソフトウェアは Web サイトやソーシャル メディアからデータを抽出できる必要があります。

  • さまざまなデータ型の処理。 ソフトウェアがデータの抽出と入力を行ったり、複数のソースからのデータを結合したり、if/else などの条件付きステートメントに従ったりできることが重要となります。

  • プログラミング インターフェイス。 プログラマブル インターフェイスは重要な要素です。RPA ソフトウェアは、ビジネスの実行効率を高め、意思決定を行うファイルを構成するインテリジェント機能、つまり認識機能を提供します。たとえば、ボットが IT サポート チケットへの対応を支援することで、IT チームは何らかの管理上の負担から解放され、他の構想に焦点を合わせられるようになります。一部のソフトウェア オプションでは、ボットをプログラミングするためのノーコードの手法も提供されていますが、すべての RPA ツールが、さまざまな種類のアプリケーション、メール、ファイル、フォルダとやり取りできるようになる必要があります。

RPA ソフトウェアの選択と使用

利用可能な RPA ツールの評価を開始する際は、自動化するプロセスの種類 に留意する必要があります。さまざまな制御機能やコマンドが、その機能を指示するロボティック プロセス オートメーション ツールに組み込まれています。これらの制御機能やコマンドが、ワークフロー オートメーションの目標と一致していることを確認しましょう。また、再利用可能なコンポーネントを探し、ボットが既存のシステムで簡単に機能できることも確認しましょう。

組織に適切な RPA ソフトウェアを選択する場合、次の条件を考慮しましょう。

  • 使い易さ。 限られたプログラミング スキルを持つユーザーでも、RPA ソフトウェアで簡単にオートメーションを構築し、ワークフローを構成できる必要があります。IT スキルをまったく持たない市民開発者であっても、一部のローコード RPA を使ってワークフローを自動化することができます。どのようなソフトウェアを選んだ場合も、組み込みの拡張可能なコマンド、ウィザード、GUI が提供される必要があります。

  • 柔軟性。ベンダーにカスタマイズの費用を支払うことなく、ソフトウェアを使用してカスタム機能を構成できる必要があります。また、一貫したパフォーマンスを維持しながら、さまざまな使用用途やデータ量に対応できる必要もあります。

  • 拡張性。 RPA ソフトウェアは、業務の運用要件を満たし、更新内容に対応するため、迅速なスケーリングが求められます。また、ソフトウェアは複数のジョブやワークフローを実行できる必要があります。

各業界での RPA ソフトウェアの用途

あらゆる種類のビジネスで RPA ソフトウェアの利点を享受する方法が見つかっています。たとえば医療業界などでは、RPA を使用してアポイントの作成、データ入力の実施、請求の処理、請求の管理を行うことができます。RPA ツールを使用したプロセスの変革が、他の業界でどのように行われているのかを次に示します。

  • 小売。 注文の更新、製品の出荷、出荷の追跡。

  • 通信。モニタリング、データ管理、顧客データの更新。

  • 銀行。作業の効率性、データの精度、セキュリティの向上

  • 保険。作業プロセスの管理、顧客データの入力、アプリケーションの実行支援。

  • 製造。サプライ チェーン プロセス、材料の請求、顧客サービスおよびサポート、管理に関する支援。

RPA ツールの制限事項

RPA ソフトウェアには多くの利点がありますが、あらゆることをこなせるわけではありません。このテクノロジは成長を遂げる一方、他のテクノロジのネットワークの一部としても最も高い機能を発揮しますが、今なおあらゆる運用上の問題を解決できる包括的なソリューションではありません。

RPA は現時点ではルール ベースのテクノロジであり、構造化されたデータ、つまりあらかじめ設定されたデータ モデルに従った情報に対してその能力を最も発揮します。その機能を十分に発揮させるには、必要な操作を実行するボットのプログラミングを行う必要があります。そしてこのボットは、そうしたパラメーターにおいてのみ機能します。RPA ソリューションは、AI や機械学習を組み合わせない限り、アクセスするコンテンツを理解または解釈するのではなく、割り当てるルールに従うことしかできません。

たとえば、RPA ツールで請求書などの書類の情報を処理する場合、その書類は、すべて同じ形式に沿ったものでなくてはなりません。このツールでは、形式を逸脱したファイルは処理できません。そのため、RPA ツールは、構造化されていないデータや、あらかじめ設定されたデータ モデルに沿っていない情報には適さないツールです。

また、RPA ツールは学習や適応を行いません。業務プロセスが変更された場合、新しいプロセスと連携するようにボットを再プログラミングする必要があり、この作業は時間がかかる場合があります。また、RPA ツールに新しいプロセスとの互換性がない場合、その投資が短命で終わる場合があります。この問題を回避するには、RPA ツールを導入する前に、プロセスとテクノロジが今後変わる可能性がどの程度あるかを検討しましょう。

RPA ツールで成功を収める方法

RPA ソフトウェアで成功が収められるかどうかは、他のテクノロジと同じく、その導入方法にかかっています。たとえ最も優れたツールであっても、根本的に破綻しているプロセスを修復することはできないため、自動化するタスクについて慎重に検討することは重要です。具体的で測定可能な目標を念頭に、ふさわしい環境に導入することで、適切な RPA ツールが貴社における効率性の概念を再定義します。RPA テクノロジを使ってプロセス オートメーションを開始するにあたっては、次のベスト プラクティスを心掛けるようにしてください。

  • 自動化が必要なプロセスを把握しましょう。あらゆるオペレーションのプロセスを監査して、どのタスクが RPA に最適か判断します。なお RPA ツールは、AI を導入しない限り、一般に情報を理解できないため、パラメーターが明確に定義されていて、人間の関与や監督がそれほど必要でないプロセス (たとえば面会のスケジューリングや請求書の処理など) を選びましょう。Microsoft Power Automate などのソフトウェアは、自動化に適したプロセスを特定する機能 を提供しています。

  • 適切なツールを選びましょう。自動化するプロセスを決定したら、そうした作業のサポートに最適なツールを探しましょう。あらゆるツールにはさまざまな強みがあるため、機能、価格、実装の容易さ、既存のソフトウェアとの連携の相性に基づいて評価します。

  • 社員をトレーニングしましょう。RPA ツールの使い方と、ゆくゆくは変更または維持する方法をスタッフに指導することで、RPA ツールの継続的価値を維持したり、全社的な導入率を高めたりすることができます。

  • 成果を査定しましょう。 実装の前後で、社員の生産性、データ取り込みの精度、予定アポイント数、処理されたドキュメントなど、主要業績評価指標 (KPI) をモニタリングしましょう。導入後に KPI が改善されない場合、誤ったプロセスを選択したか、ボットに誤ったパラメーターを設定した可能性があります。

従業員を支援して業務の自動化を図る

RPA ソフトウェアと AI が交差する領域への注目が高まり続けており、RPA の前途は有望なようです。お使いのアーキテクチャに RPA ソフトウェアを取り入れることで、ビジネスにおいて新たな効率性が確立できるだけでなく、チームが管理タスクではなく、重要な取り組みや付加価値を生み出す作業に集中できるように支援して、チームの貴重な時間を取り戻すことができます。

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